このページの要点
- 報酬は定額・人数連動・売上分配の三つの型。連動型は、数えるもの、基準日、確定の時点、返金時の戻しを決める。
- 旅費・宿泊費・資料作成費・配信機材費の負担者と、上限、精算方法を項目ごとに書く。税込・税別も明記する。
- 支払期日は、役務の提供を受けた日から起算した期間内に定める。法律の対象になる場合があり、売上の確定を待つ設計も期間内に収める。
- 中止や辞退の報酬は、通知の時期や事由で書き分ける。無償や謝礼のみでも、拘束時間、費用、資料の権利、録画は決める。
結論:講師料は「額」だけでなく、算定の基準・費用の負担・支払期日・中止のときの扱いまで決める
講師料について、主催者と講師が最初に話すのは、たいてい金額です。1回いくらで頼むのか、いくらなら受けてもらえるのか。ところが、金額が決まっても、契約として足りない部分が残ります。交通費や宿泊費は誰が払うのか。資料を作る時間は報酬に含まれるのか。いつ払うのか。催しが中止になったらどうなるのか。参加人数や売上に連動する報酬なら、何を基準に計算するのか。
契約書作成の実務の経験をもとに、講師料の条項で決めておくべき事項を整理すると、次の5つにまとまります。
- 報酬の型(定額、人数・件数に連動、売上や参加費の分配)と、その算定の基準。金額は税込か税別かも書く。
- 旅費、宿泊費、資料作成費、配信機材の費用などを、誰が負担するか。
- 支払期日と支払方法。役務の提供を受けた日から起算した期間内に定める。
- 講師が出られなくなったとき、主催者が中止にしたときの報酬の扱い。
- 無償や謝礼のみの登壇で、どこまでを求めるか。
講師との約束全体の中での位置づけは契約の全体像のページで、依頼書の項目としての報酬は講演・登壇の依頼書のページで説明しています。このページは、報酬の条項そのものの組み立てに絞ります。報酬の額が税込か税別かは、金額と同じ重要さで書いてください。なお、税そのものの取扱いは、このサイトでは説明しません。
報酬の三つの型と、それぞれで書いておくこと
講師料の決め方は、大きく三つの型に分けられます。多くの契約書で見られる傾向として、型ごとに、書き漏らしやすい点があります。
講師料の三つの型(一般的な類型)
| 型 | 内容 | 向く場面 | 書いておくこと |
|---|---|---|---|
| 定額型 | 1回の登壇につき一定の額 | 単発の講演、研修、ゲスト登壇 | 額、税込・税別、拘束時間の範囲、準備や打合せが含まれるか、延長した場合の扱い |
| 人数・件数連動型 | 参加者の数や申込みの件数に応じて額が変わる | 有料セミナーで集客を講師も担う、参加費が人数で決まる | 人数の数え方(申込み数か、実際の参加数か)、キャンセル分や招待分の扱い、確定の時点、最低保証の有無 |
| 売上分配型 | 参加費や商品の売上の一定割合を講師に払う | 共同企画、講師が集客にも大きく貢献する、商品の販売を伴う | 売上の定義(総額か、手数料や返金を引いた額か)、算定の基準日、返金が出たときの戻し方、計算書の提示、支払の時期 |
定額型は最も単純ですが、「定額」の中に何が含まれているかを書かないと、後で調整が必要になります。講演の時間だけなのか、事前の打合せや資料作成の時間も含むのか、懇親会への出席は含むのか。拘束時間の範囲は、講師が報酬の水準を判断する材料でもあります。
人数連動型や売上分配型は、主催者にとってリスクを分散できる反面、算定の基準が曖昧だと、最も争いになりやすい型です。次の節で詳しく説明します。
企業や団体から研修を受ける場合は、報酬の見積りの出し方にも違いがあります。研修では、講演の時間だけでなく、事前のヒアリング、資料や演習課題の作成、当日の運営の補助、事後の質問への対応まで含めて、1日あたりの額や、時間あたりの額で見積もることが多くあります。主催者の側から見ると「1日研修で○円」と一括りの額でも、講師の側は、何にどれだけの時間を見込んでいるかを前提にしています。見積書や依頼書の段階で、含まれる作業を列挙しておくと、追加の依頼が出たときに、範囲内か範囲外かを判断しやすくなります。
最低保証や上限を置くかどうかも、型の選び方に関わります。人数連動型で、参加者が少なかった場合に報酬が極端に小さくなるなら、講師は準備の手間に見合わない結果になります。そこで、一定額を最低保証とする設計があります。反対に、参加者が想定を大きく超えた場合に報酬が膨らむことを主催者が心配するなら、上限額を置きます。最低保証と上限は、どちらも「最初の想定の幅」を示すもので、双方が受け入れられる範囲を先に確認する意味があります。
一つの催しで型を組み合わせることもあります。たとえば、最低限の定額に加えて、一定の人数を超えた分を人数連動で加算する、という設計です。この場合は、定額部分と連動部分を別の項目に分けて書き、計算例を添えると、双方が同じ金額を想定していることを確認できます。
人数連動・売上分配の算定:基準日・確定の時点・返金時の戻し
人数や売上に連動する報酬では、「何をどの時点で数えるか」が、金額を左右します。決めておくべき点は、次の4つです。
- 数えるもの:申込み数か、入金済みの数か、実際の参加数か。
- 数える時点(基準日):申込み締切日か、開催日か、開催後に参加者が確定した日か。
- 確定の時点:報酬の額がいつ確定し、その後は変わらないのか。
- 返金が出たとき:参加者に返金した場合、その分を報酬の算定から引くのか。
とくに返金の戻しは、見落とされやすい点です。参加者がキャンセルして返金した場合、その分の売上は主催者の手元に残りません。売上分配型で、返金分を引かずに講師に払ってしまうと、主催者が過払いになります。一方、講師の側から見ると、返金が開催後に長く続く設計では、報酬がいつまでも確定しません。返金の対象となる期間に区切りを付け、「返金は開催日の○日後までに申し出があったものに限り、それ以降の返金は報酬の算定に影響しない」というような線引きが必要です。
書き方の例(一般的な例) 売上分配型の算定の書き方
売上の定義
理由売上が総額か純額かで、金額が大きく変わる。決済手数料の負担も、定義の中で決めておく。
算定の時期
理由いつまでも額が動くと、支払期日が決められない。確定の時点を置く。
計算の確認
理由講師は、計算の根拠が見えないと、金額の確認ができない。見せる義務を決めておくと、疑義の予防になる。
条文例人数連動の報酬を定める条文例(一般的な書き方)
- 主催者は講師に対し、本講演の報酬として、基本報酬○○円(税込)に、参加者数に応じた加算額を加えた額を支払う。
- 前項の「参加者数」とは、開催日に実際に参加した者の数をいい、申込みをしたが参加しなかった者および主催者が招待した者を含まない。
- 加算額は、参加者数が○名を超える部分について、1名あたり○円(税込)とする。
- 主催者は、開催日の翌日から○日以内に参加者数を確定し、算定の根拠とあわせて講師に書面(電子メールを含む。)で通知する。
金額・割合・日数は伏せています。実際には、数えるものと確定の時点を、講師と一緒に確かめて決めます。
旅費・宿泊費・資料作成費・配信機材の費用は誰が持つか
報酬の額が同じでも、費用の負担が違えば、講師の手取りは大きく変わります。旅費や宿泊費は、遠方からの登壇では大きな金額になります。資料の作成や、オンライン配信のための機材、通信環境の準備にも、費用がかかります。費用の負担者を決めていないと、「報酬に含まれていると思っていた」「別に請求できると思っていた」という食い違いが起きます。
催しの費用の負担者を決める項目
交通費主催者/講師
実費精算か、定額か。経路と等級(普通席か指定席か)、上限、領収書の要否。講師の自宅や事務所からの距離で上限を決める場合もある。
宿泊費主催者/講師
前泊・後泊の要否、主催者が手配するか講師が手配して精算するか、上限額。キャンセルが出たときの宿泊の取消料の負担。
資料作成費講師/主催者
スライドの作成は報酬に含むのが一般的だが、印刷費や配布用の冊子の費用は主催者の負担とすることが多い。追加で資料の作り込みを求めるなら別途協議。
配信機材・通信環境主催者/講師
オンラインで講師が自宅から配信する場合、マイク、カメラ、通信回線の準備を誰が持つか。主催者が機材を貸すか、費用を補助するか。
会場費・設備費主催者
会場の利用料、プロジェクターや音響の借用は主催者の負担が通常。講師が持ち込む機材の持込料は、事前に確認する。
振込手数料主催者/講師
報酬の振込みに要する手数料を、どちらが負担するか。報酬から差し引くかどうかも含めて決める。
費用は、項目ごとに「誰が」「いくらまで」「どう精算するか」の3点を書くと、請求のたびに調整する手間が減ります。
実費精算の場合は、上限と事前承認の仕組みを入れると、主催者にとって費用の想定が立てやすくなります。「交通費は実費。ただし、事前に主催者の承認を得た経路と等級に限り、上限は○円とする」という書き方です。一方で、講師が実費の領収書を準備できない場合や、自家用車で移動する場合があります。精算の方法(領収書の添付、距離に応じた定額など)も、あらかじめ決めておけば、後の手間を省けます。
精算の時期も決めておきます。講師が費用を立て替える場合、立て替えた費用をいつまでに請求し、主催者がいつまでに払うかを書きます。報酬の支払期日と同じ日にまとめて払う方法が簡単ですが、報酬と費用の支払期日が別になる場合は、費用についても遅れが長くならないように定めます。また、主催者が手配した新幹線や宿泊を講師が変更したい場合の扱い(差額を誰が持つか)も、あらかじめ決めておくと、現場での調整が楽になります。
宿泊を伴う登壇で、天候や主催者の都合により催しが中止になったとき、既に支払った宿泊費の取消料を誰が負担するかも、ここで決めておくと、中止の場面の争いを減らせます(講師の辞退・代役のページ)。
支払期日:役務を受けた日から起算した期間内に定める
報酬をいつ払うかは、講師にとって重要な条件であり、法律が関わる部分でもあります。
特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス法)4条1項は、特定業務委託事業者(従業員を使用する個人や、役員が複数いる法人など、同法2条6項で定められる業務委託事業者)が特定受託事業者に業務委託をしたときの報酬の支払期日について、役務の提供を受けた日から起算して60日の期間内で、かつ、できる限り短い期間内に定めなければならないとしています。また、同条2項は、支払期日が定められなかったときは役務の提供を受けた日が、定められた期日が60日を超えるときは60日を経過する日が、支払期日とみなされると定めています。
中小受託取引適正化法(取適法)3条も、役務提供委託の場合、中小受託事業者から役務の提供を受けた日から起算して60日の期間内で、かつ、できる限り短い期間内に支払期日を定めなければならないとしています(同条1項)。取適法は、委託事業者の資本金・従業員数などの区分を満たす場合に適用されるため、すべての講師への依頼に当たるわけではありません。主催者が講師に委託する場面で当たるかどうかは、「当たる場合がある」と考えて確認します。
講演の場合、「役務の提供を受けた日」は、登壇した日(講演を行った日)にあたると考えるのが自然です。開催日から起算して期日を数えます。毎月末日に締めて翌月末日に払う、という月単位の締切制度は、公正取引委員会の運用上、「受領から2か月以内」として扱われ、問題とされません(公正取引委員会「フリーランス法Q&A」Q48)。他方、翌々月に払う設計にすると、60日の枠を超えます。たとえば、7月1日に登壇した講師への報酬を月末締め翌々月10日払いにすると、支払日は9月10日で、開催日の70日あとになり、60日の枠を超える例です。取適法には、連続して提供される役務について、月単位の締切と代金の算定方法をあらかじめ合意し明示している場合の扱い(公正取引委員会の運用基準)がありますが、1回限りの講演は、登壇した日が起算日です。
支払期日の設計の例(一般的な整理)
| 書き方 | 起こりうる問題 | 整え方 |
|---|---|---|
| 「開催後、請求書を受け取ってから○日以内に支払う」 | 講師が請求書を出さないと、期日が来ない。請求書の提出が遅れれば、開催日から起算した期間が長くなりうる | 「開催日から○日以内」を上限とし、請求書がなくても主催者が支払う、または請求書の提出期限を決める |
| 「売上が確定し次第、支払う」 | 確定の時点が決まっていないと、期日が不定になる | 「開催日の○日後に売上を確定し、その後○日以内に支払う」と、確定の日と期間を定める。合計が支払期日の上限(60日)に収まるようにする |
| 「毎月末締め、翌月末払い」 | 月単位の締切制度として、受領から2か月以内の運用の範囲に収まる(フリーランス法Q&A Q48)。ただし、どの月の登壇分を、いつ締めるのかを決めていないと、支払の対象が食い違う | どの月の登壇分を、いつ締めて、いつ払うかを書く。翌々月払いにすると60日の枠を超えるので避ける |
| 「主催者の都合で支払う」 | 期日が定まっていない | 具体的な日または期間を書く |
支払期日と並んで、支払方法も書いておきます。振込先の口座、振込手数料の負担、請求書の要否、支払が遅れたときの遅延損害金の扱いです。遅延損害金について、契約で定めがなければ民法の法定利率によりますが、取引の実態に応じた割合を書くことも多くあります。割合を書くときは、一般的な水準を超える高い割合は、争いの種になりやすいので、避けるのが無難です。また、講師が個人の場合、講演の報酬から所得税を差し引いて支払う(源泉徴収。所得税法204条1項1号)ことがあります。差し引くときは、請求額と実際の振込額が食い違わないよう、報酬の額が差引き前の額か、差引き後の額かを書いておきます。
報酬の額が、税込か税別かは、明記してください。「報酬は○万円」とだけ書くと、受け取る側は税込と読み、支払う側は税別と読むことがあります。数字の後ろに「(税込)」または「(税別)」と添えるだけで、食い違いを防げます。
中止・辞退・延期のときの報酬を、報酬条項に置く
催しが予定どおり開かれないとき、講師料はどうなるでしょうか。ここでは、報酬条項の中に何を置くかに絞って説明します。辞退や代役、主催者側の中止を詳しく扱うのは講師の辞退・代役のページです。
民法の一般原則としては、準委任の割合報酬(民法648条3項)、債権者の責めに帰すべき事由による履行不能(同法536条2項)、委任の解除(同法651条)があります。これらの読み方と、辞退・中止の場面ごとの整理は、講師の辞退・代役のページに譲り、ここでは報酬条項に何を書くかだけを扱います。
ただ、これらは一般原則であり、個別の催しにぴったり当てはまるとは限りません。準備が済んだ段階で中止になった場合の資料作成費や、手配済みの旅費の扱いは、民法の条文だけでは決まりません。そこで、報酬条項の中に、中止の時期に応じた報酬の扱いを書いておく方法が一般的です。
書き方の例(一般的な例) 中止のときの報酬の書き方
主催者の都合による中止
理由準備の進み具合に応じた負担を、あらかじめ決めておく。割合や日数は、催しの規模に応じて、双方で確認して決める。
講師の都合による辞退
理由辞退の全部を一律に扱うと、やむを得ない体調不良と、正当な理由のない欠席とが区別されない。
不可抗力
理由どちらの責任でもない事由では、報酬を全額にするのか、ゼロにするのかを決めておく。
賠償額の予定(あらかじめ損害賠償の額を決めておくこと)は、民法420条が認めています。ただし、不当に高い額は、公序良俗に反する(民法90条)として、一部が無効とされることもあり得ます。割合や額は、実際の準備にかかる費用の範囲に収まるように設計するのが基本です。
無償・謝礼のみの登壇で、どこまでを求めるか
知人からの依頼や、勉強会、地域の催しでは、「報酬は出せないが、謝礼として少額を」「無償で」という依頼があります。民法648条1項は、準委任(受任者)は特約がなければ報酬を請求できないとしていますから、無償の約束は法的に成り立ちます。もっとも、講師が商人で、その営業の範囲内で行う登壇であれば、特約がなくても相当な報酬を請求できる場合があります(商法512条)。無償で受けてもらうなら、無償であることを明確に書いておく必要があります。また、無償だからといって、講師に何でも求めてよいということにはなりません。
無償や謝礼のみの登壇でも、次の4点は決めておく価値があります。
- 拘束時間:講演の時間だけでなく、前後の準備、移動、懇親会を含むか。
- 費用:交通費や宿泊費を主催者が持つか。無償で、さらに講師の自己負担となる状況は避ける。
- 資料の権利:無償であっても、資料は講師の著作物であり、主催者が自由に再利用できるわけではない(資料の著作権のページ)。
- 録画・配信:無償だからこそ、録画して公開してよいか、講師の許諾が必要。
無償・謝礼のみの登壇で、主催者が求められる範囲(目安)
| 項目 | 無償 | 謝礼のみ | 報酬あり |
|---|---|---|---|
| 講演(約束した時間) | 許す | 許す | 許す |
| 事前の打合せ(短時間) | 条件付き | 条件付き | 許す |
| 資料の作成(講演用) | 条件付き | 条件付き | 許す |
| 録画・アーカイブの公開 | 条件付き | 条件付き | 条件付き |
| 主催者による資料の再利用 | 許さない | 条件付き | 条件付き |
| 懇親会や当日の追加の依頼 | 許さない | 条件付き | 条件付き |
「条件付き」は、事前に講師と合意した範囲で認められるという意味です。無償・謝礼のみでも、録画や再利用を求めるなら、報酬を足すか、許諾の範囲を限定して合意する必要があります。
謝礼のみの場合の注意は、「謝礼」の位置づけです。謝礼は感謝の気持ちとして渡すものか、それとも報酬の一種として約束するものか。後者なら、金額と支払時期を約束として残すことになります。前者なら、金額が事前に決まっていなくても構いませんが、講師が期待する額と実際の額にずれが生じると、気まずさが残ります。「謝礼として○○円(税込)をお渡しする」と、金額を書いておくのが、双方にとって無理のない方法です。
無償で登壇してもらった場合でも、主催者が事業のために(有料の催しの一部などとして)登壇を委託するなら、フリーランス法の「業務委託」に当たり得ます。対象になるのは事業のための委託で、個人の趣味の勉強会のように事業とはいえない催しは対象になりません。当たる場合は、報酬がゼロでも条件の明示が問題になります。ここも、「当たる場合がある」と考えて、依頼書の項目をそろえておくと安全です(講演・登壇の依頼書のページ)。
起きがちなこと
講師料に関して、実際に起きやすい場面を整理します。
講師料で起きがちなこと
- 額は決めたが、税込か税別かを書かず、請求の段階で食い違った。
- 旅費の負担を決めておらず、講師が遠方から自費で来ることになった。
- 売上分配なのに、売上の定義が曖昧で、返金分を引くかどうかで争いになった。
- 人数連動の報酬で、申込み数と参加数のどちらで数えるかを決めていなかった。
- 請求書の到着を支払の条件にしていたため、請求書が遅れ、開催日から数えた期間が長くなった。
- 主催者の都合で直前に中止にしたが、講師の準備費用を支払うかどうかで争いになった。
- 無償で依頼したのに、開催後に録画が公開され、講師が追加の報酬を求めた。
- 共催者の費用分担の事情を理由に、講師の報酬の支払が遅れた。
よくあるご質問
講師料を決めるとき、相場はありますか?
講師の経験、講演の時間、準備の量、移動の距離、資料や録画の権利の扱いによって幅があり、一律の相場は決めにくいといえます。大切なのは、金額とあわせて、含まれる業務の範囲(準備、打合せ、延長)と費用の負担を書き、双方が同じ前提で比べられるようにすることです。
報酬の支払を、売上が入ってからにしてもよいですか?
売上の入金を待って払う設計は、売上分配型では自然です。ただし、フリーランス法や取適法が当たる場合は、役務の提供を受けた日から起算して60日の期間内に支払期日を定める必要があります(フリーランス法4条、取適法3条)。売上の確定の時点と支払の期間を、その枠内に収まるように設計してください。
旅費を定額にするのと、実費にするのとでは、どちらがよいですか?
定額は精算の手間が省ける反面、実際の費用と差が出ます。実費は公平ですが、領収書の管理が必要です。距離によって定額を段階的に定めるなど、折衷の方法もあります。どちらにしても、上限と精算方法を書いておくことが重要です。
無償の登壇でも、契約書を作った方がよいですか?
報酬がない場合でも、録画、資料の権利、辞退の扱い、前後の拘束時間は、依頼書やメールに残しておくと、後の認識の違いを避けられます。大きな契約書を作る必要はなく、1〜2枚の依頼書で足ります。
講師の都合でキャンセルした場合に、違約金を取ってよいですか?
あらかじめ損害賠償の額を決める定めは、民法420条の範囲で認められます。ただし、準備にかかる実際の費用を大きく超える額は、公序良俗に反するなどの問題が生じることがあります。講師の事情(体調不良など)を区別して、書き分けるのが一般的です(講師の辞退・代役のページを参照)。
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本ページは一般的な情報提供です。個別の取引への当てはめは、契約の内容や催しの仕組みによって異なることがあります。書き方の例として紹介している内容は、契約書作成の実務でよく見られる書き方を整理した例で、特定の事業者や案件を示すものではありません。条文は e-Gov法令検索で確認しています。参考: e-Gov法令検索 / 消費者庁 / 個人情報保護委員会 / 公正取引委員会