告知ページ・チラシで講師の経歴や効果を書くとき

告知の文面は主催者が参加者に向けて行う表示です。講師から受け取った経歴であっても、載せる前の確認が主催者の仕事になります。

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「必ず」「誰でも」「全員が満足」。集客の言葉は、事実と根拠の裏付けがあってはじめて使えます。

このページの要点

  • 講師の肩書・経歴・実績は、根拠資料を講師に示してもらい、掲載前に講師が事実であることを確認する。確認の記録を残す。
  • 「必ず」「誰でも」のような断定や効果の保証は、優良誤認や、参加者の取消し(消費者契約法4条1項2号)の原因になり得るため避ける。
  • 参加費は消費税を含む総額で表示し、特典・定員・期限も実際の取引条件と一致させる。通信販売に当たるときは特定商取引法11条・12条・12条の6の表示を満たす。
  • 写真・ロゴ・取引先名・共催者名の使用は、権利者の許諾と関与の事実を確認し、告知と実際がずれたときの返金・訂正の扱いも決めておく。

結論:告知の言葉は、主催者の表示であり、講師の経歴の確認は主催者の仕事でもある

セミナーや講演会の集客では、告知ページ、チラシ、メール、SNSの投稿で、講師の肩書、経歴、実績、参加者の声を紹介します。講師を魅力的に見せたい気持ちは自然ですが、告知の文面は主催者が参加者に向けて行う表示です。講師が提供した経歴であっても、載せるのは主催者ですから、内容に誤りや誇張があれば、表示をした主催者の側が責任を問われる場面があります。

このページの結論は次の四つです。第一に、講師の経歴・資格・実績は、講師自身に確認してもらい、確認した事実を記録に残すこと。第二に、「必ず」「誰でも」「確実に」のような断定や、効果の保証に見える言い方は、不当な表示や、後から参加者が契約を取り消す理由になり得るため避けること。第三に、参加費、特典、定員、期限の表示は、実際の取引条件と一致させること。第四に、申込みページが通信販売に当たる場合は、特定商取引法の表示事項を満たすことです。

このページでは、告知の「書き方」と「確認の手順」に絞ります。講師の肩書や経歴の記載を、講師と主催者のどちらがどう確認するかを、契約書にどう置くかが中心です。参加者向けの申込みの条件は単発セミナーの参加規約と申込みの条件のページで、名簿の取扱いは受講者名簿・アンケート・名刺の扱いのページで扱います。

告知に載せる情報を三つに分けて確認する

告知の文面を点検するときは、載せる情報を性質で三つに分けると整理しやすくなります。事実を述べる部分、評価や感想を述べる部分、取引の条件を述べる部分です。それぞれ、確認の仕方と、問題になる法律が異なります。

告知の情報の三分類と確認の仕方

分類例確認の仕方関係する主な規律
事実を述べる部分講師の肩書、学歴・資格、著書、登壇回数、受賞歴、所属先講師に根拠となる資料(名刺、証明、書籍の奥付、掲載記事など)の提示を求める。確認日を記録する景品表示法5条1号(内容についての優良誤認)、消費者契約法4条1項1号(事実と異なる告知)
評価・感想を述べる部分受講者の声、「満足度が高い」、「分かりやすい」声を載せる場合は、実際にあった感想か、本人の了解があるか、一部を切り取って印象を変えていないかを確認する景品表示法5条1号、同条3号に基づく指定の表示(内容は消費者庁の資料で確認が必要)
取引の条件を述べる部分参加費、早期割引、特典、定員、申込期限、キャンセルの条件実際の運営と一致しているか。期限や定員の表示が実態とずれていないか景品表示法5条2号(有利誤認)、特定商取引法11条・12条(通信販売の場合)

この三分類のうち、争いになりやすいのは、事実を述べる部分と、取引の条件を述べる部分です。事実は、後から調べて違いが分かります。取引の条件は、参加者が支払った金額や、受けられるはずの内容と直接結びつくため、不満が金銭の請求に変わりやすいからです。

講師の経歴・肩書・実績を載せるときの確認手順

講師から受け取った自己紹介の文章は、そのまま掲載しがちです。しかし、肩書の言い回しや実績の数字は、本人の記憶や認識に基づく場合があり、公表されている資料と食い違うことがあります。たとえば、「元○○(会社名)の役員」「○○賞受賞」「累計○○人を指導」「メディア出演多数」といった表現は、誇張や時期の混同が起きやすい代表例です。

景品表示法5条1号は、商品または役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示す表示で、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるものを禁じています。セミナーも役務ですから、講師の経歴が実際より著しく優れていると示す表示は、この規律に触れるおそれがあります。この表示規制の名宛人は、「自己の供給する商品又は役務の取引について」表示をする事業者、つまり参加者に役務を供給する主催者です。講師が提供した情報だから責任がない、とはなりにくい点が、契約書づくりで見落とされやすいところです。

講師の経歴を掲載するまでの手順(一般的な流れ)

1講師から資料を受け取る

原稿と根拠

  • 講師が書いた自己紹介の原稿を受け取る
  • 肩書・資格・実績ごとに、根拠となる資料の有無を講師に尋ねる
  • 数字(人数・回数・年数)には、数え方と時点を書いてもらう

2主催者が確認・調整する

事実と表現

  • 資料で確認できない部分は、載せないか、言い方を弱める
  • 「日本一」「No.1」のような比較の表示は、根拠と調査の条件が示せるときに限る
  • 過去の肩書は「元」「前」と、時点が分かる書き方にする

3講師が最終確認する

確認書

  • 掲載する文面を講師に見せ、内容が事実であることの確認を、メールや確認書で残す
  • 掲載後に事実と異なると分かったときの訂正の手順を決めておく

確認の記録は、講師と主催者の間で、どちらが事実の責任を負うのかを後で整理するときの手がかりにもなります。

条文例講師の経歴等の提供と確認(書き方の例・一般的な例)

  1. 乙(講師)は、甲(主催者)が告知に用いるため、乙の氏名、肩書、経歴、資格、実績その他の情報(以下「講師情報」という。)を、事実に基づいて甲に提供する。
  2. 乙は、講師情報のうち数値または比較を含むものについて、その根拠となる資料を甲の求めに応じて提示する。
  3. 甲は、講師情報を告知に掲載する前に、掲載する文面を乙に提示し、乙は、その内容が事実と相違しないことを確認して、書面(電磁的方法を含む。)で甲に通知する。
  4. 乙は、講師情報の変更または誤りに気づいたときは、直ちに甲に通知する。甲は、通知を受けたときは、速やかに告知の訂正その他必要な措置を講じる。
  5. 乙が故意または重大な過失により事実と異なる講師情報を提供し、その結果、甲が第三者から請求を受けたときは、乙は、甲に生じた損害を賠償する。

第5項のような責任の分担は、講師が事実と異なる情報を提供した場合に限ります。主催者が講師情報を誇張して書き換えた場合まで講師に負担させる書き方は避けます。

「必ず」「誰でも」の断定、効果の保証、受講者の声

集客の文章では、「このセミナーを受ければ必ず売上が上がる」「誰でも短期間で身につく」といった断定が使われがちです。セミナーは、受講の結果が確実とは限らない性質のものですから、断定は避けるのが基本です。理由は二つあります。

一つ目は、景品表示法の優良誤認の問題です。実際には得られる保証のない効果を、確実であるかのように示せば、内容について実際のものよりも著しく優良であると示す表示になり得ます(景品表示法5条1号)。二つ目は、参加者の側から見た取消しの問題です。個人の参加者が消費者契約を結ぶ場合、事業者が勧誘に際し、将来における変動が不確実な事項について断定的判断を提供し、消費者がその内容が確実であると誤認して申し込んだときは、その申込みの意思表示を取り消すことができます(消費者契約法4条1項2号)。「必ず売上が上がる」は、この典型的な言い方です。重要事項について事実と異なることを告げた場合の取消し(同項1号)も、講師の経歴や内容の説明が事実と異なっていたときに問題になります。

書き方の例(一般的な例) 効果と成果の書き方

成果の言い方

よくある書き方「このセミナーに出れば、誰でも必ず売上が上がります。」
整えた書き方「売上の管理の考え方と、現場で使える手順を、事例を使って説明します。成果は参加者の状況によって異なります。」

理由得られるのは知識や手順であり、成果の確実性を約束するものではないことを、文の中で区別します。

参加者の声

よくある書き方「参加者全員が大満足!」
整えた書き方「前回の参加者アンケート(回答者は○名)では、○割の方が『役に立った』と回答しました。」

理由全員・大満足のような括りは根拠を示しにくい表現です。調査の対象、時期、回答者数を示せる形にします。

実績の数字

よくある書き方「指導実績No.1」
整えた書き方「○年から○年までに、企業研修を○回担当しました。」

理由比較を伴う表示は、根拠となる調査の条件がないと使えません。事実を数え方とともに書くほうが安全です。

限定・特典

よくある書き方「本日締切!残りわずか!」を、締切後も出し続ける
整えた書き方「申込みは○月○日まで。定員は○名です。」実際の運営と一致させる

理由期限や定員の表示が実態と合わないと、有利誤認(景品表示法5条2号)の問題になり得ます。

受講者の声や体験談を載せるときは、さらに三点を確認します。実際に寄せられた声であること、掲載について本人の了解があること、全体の傾向を代表する声であって、よい声だけを選んで全体の印象をゆがめていないことです。個人の感想である旨を添えても、全体として効果を保証する印象を与える表示は、表示の全体で判断されます。景品表示法5条3号は、内閣総理大臣が指定する不当な表示も禁止の対象としています。その一つが、令和5年内閣府告示第19号「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」(2023年10月1日施行。いわゆるステルスマーケティング告示)で、事業者が第三者に依頼した投稿などが、事業者の表示であることが分かりにくい形になっているものが対象です。講師や共催者に紹介記事の投稿を頼む場合は、主催者が依頼して書いてもらったものであることが読み手に分かる表示にしておくのが安全です。

参加費・割引・定員・期限の表示と、通信販売の表示

個人も参加できるセミナーの参加費は、消費税を含めた総額で表示します(消費税法63条。免税事業者や事業者向けのみの催しを除く)。会場の費用、資料代、懇親会費が別になるのか、含まれるのかも、告知で分かるようにします。「早期割引」の表示も、通常の価格が実際に存在するのか、いつからいつまで適用されるのかが問われます。実際にはその価格で提供したことのない「通常価格」と比べて割引と見せる表示は、取引条件が実際のものよりも著しく有利であると一般消費者に誤認される表示(景品表示法5条2号)に当たるおそれがあります。

申込みを、ウェブサイトのフォームやメールで受け付け、参加費を前払いで受ける形のセミナーは、特定商取引法上の「通信販売」に当たることがあります。通信販売とは、販売業者または役務提供事業者が、郵便その他の主務省令で定める方法により売買契約または役務提供契約の申込みを受けて行う商品等の販売または役務の提供で、電話勧誘販売に該当しないものをいいます(特定商取引法2条2項)。広告に表示すべき事項は、役務の対価(販売価格)、対価の支払の時期と方法、役務の提供時期、申込みの期間に関する定めがあるときはその内容、申込みの撤回または解除に関する事項などです(同法11条)。また、役務の内容や、申込みの撤回・解除に関する事項などについて、著しく事実に相違する表示をすることや、実際のものよりも著しく優良または有利であると人を誤認させる表示をすることも禁じられています(同法12条)。

さらに、書面や申込み画面で申込みを受ける通信販売では、申込みの最終確認画面に、役務の分量や、対価・支払の時期と方法・提供時期・申込みの期間・撤回または解除に関する事項を表示しなければならず、申込みになることを誤認させる表示なども禁じられています(同法12条の6)。参加費を前払いで受けるセミナーの申込みフォームでは、最後の確認画面の表示も点検します。

告知ページに載せる取引条件の確認リスト

  • 参加費の額(消費税を含む総額)の表示
  • 参加費のほかに、資料代・懇親会費・機材費・会場の追加の費用が必要かどうか
  • 支払の時期と方法(事前の振込み、当日払い、カードなど)
  • 開催の日時、会場またはオンラインの接続の方法、開催形式の変更があり得ること
  • 申込みの期間、定員、定員を超えたときの扱い
  • キャンセルの可否、返金の条件、締切の区分(個人の参加者に対するキャンセル料は、解除に伴う平均的な損害の額が上限で、説明を求められたときは算定根拠の概要を説明するよう努める。消費者契約法9条1項1号・2項)
  • 運営する者の名称、住所、連絡先、責任者(通信販売に当たる場合の表示事項)
  • 録音・録画・撮影の禁止や、主催者が録画する場合の利用の範囲

なお、特定商取引法の通信販売の表示事項の細かい書き方(法人の場合の代表者名、電話番号、ウェブサイトの表示の位置など)は、省令に定められています。このサイトの各ページでは、条文の骨格にとどめ、細目は主務官庁の資料で原文を確認する前提で整理しています。

告知と実際の内容が違ったとき:返金・変更・訂正の扱い

告知に書いた講師が登壇できなくなった、時間が短くなった、内容が変わった、という事態は、どの催しでも起こり得ます。このときに備えて、告知ページや申込みの条件に、変更があり得ること、その場合の取扱いを書いておきます。考え方は三段階です。

よくある疑問と回答告知と実際がずれたときの対応の考え方

  1. 講師が変更になる場合、どこまで事前に伝えるか。

    講師の名前が申込みの動機になっている催しでは、変更を知った参加者が申込みの撤回や返金を求める可能性があります。変更が分かった時点で速やかに知らせ、返金を認めるのかを決めておきます。

  2. 内容や時間が告知より短くなった場合、どうするか。

    軽微な変更は告知の訂正で足りますが、参加の目的を実質的に損なうような変更は、返金の対象として扱うほうが、後日の争いを避けやすくなります。

  3. 誤った経歴や実績を載せていたと分かった場合、どうするか。

    速やかに訂正し、既に申し込んだ人に知らせます。誤りの内容によっては、取消しや返金の求めに応じる判断が必要になります。講師との間では、提供された情報の誤りに応じた責任の分担を、契約書で決めておきます。

  4. 定員や期限の表示が実態と違っていた場合、どうするか。

    実態に合わせて直したうえで、誤認して申し込んだ人への対応を決めます。表示の修正は早いほど影響が小さくなります。

返金や取消しの具体的な扱いは、申込みの条件(参加規約)に先に書いておくと、判断の根拠にできます。

参加規約の側に置く免責や返金の条項が有効かどうかは、別の観点です。事業者の債務不履行による損害賠償責任の全部を免除する条項は、消費者契約では無効とされます(消費者契約法8条1項1号)。また、民法548条の2第2項は、定型約款の条項のうち、相手方の権利を制限し、または義務を加重する条項で、信義則に反して相手方の利益を一方的に害すると認められるものについて、合意をしなかったものとみなします。告知に書いた内容と、参加規約の免責条項との間に食い違いがないかも、点検の対象です。

講師の写真・ロゴ・引用素材、共催者の名称を告知に使うとき

告知には、講師の顔写真、著書の表紙、所属先のロゴ、共催者や協賛者の名称が並びます。これらは、使ってよいかどうかを別々に確認する必要があります。

まず、講師の顔写真やプロフィール画像です。写真には撮影した人の著作権があり、複製して告知ページやチラシに載せるには、著作権者の許諾が要ります(著作権法21条)。ウェブに掲載する場合は公衆送信(同法23条)にも当たり、その許諾も必要です。講師が自分で用意した写真であっても、撮影者が別にいる場合があります。講師が「使ってよい」と言ったことと、撮影者の許諾があることは別です。契約書には、講師が提供する写真・文章・画像について、必要な権利を持っているか、または権利者の許諾を得ていること、告知の目的のために主催者が利用できること、利用できる範囲と期間を書いておきます。講演の録画や配信に講師が出演する場合の許諾は、講演・セミナーの録画・ライブ配信・アーカイブのページで扱いますので、ここでは告知への使用に限ります。

次に、著書の表紙、他社のロゴ、所属先の名称です。著書の表紙の画像を載せることや、講師の所属先や過去の取引先の名前を載せることは、権利者や関係先の了解を得ていないと、後で指摘を受けやすい項目です。特に、取引先の社名を「実績」として並べる表示は、その会社の承諾の有無、取引の事実、取引の時期が問われます。事実と異なる、または関係が終わった取引先の名前を載せると、前に述べた優良誤認や、事実と異なる告知の問題になります。

共催者や協賛者の名称・ロゴを使う場合は、共催の契約書で使用の範囲と表示の仕方を決めておきます。また、「後援」「協力」「監修」のような言葉は、実際にその関与がある場合にだけ使います。関与がないのに、公的な団体や有名な企業の名前を並べると、実際以上の信用を示す表示になり、混同のおそれのある表示として別の問題を生みます。共催・協賛の契約の組み立ては共催・後援・協賛セミナーの契約のページで扱っています。

告知の素材ごとに、誰が確認し、誰が許諾を得るか(整理の例)

  • 講師の肩書・経歴の文章講師が提供、主催者が確認

    根拠の資料の提示と、掲載前の最終確認を契約書に書きます。

  • 講師の写真・プロフィール画像講師が権利を確認、主催者が利用

    撮影者の許諾の有無、告知への使用の範囲と期間を決めます。

  • 著書・他社のロゴ・取引先の名前講師が許諾を得る、主催者が掲載を判断

    許諾が得られないものは載せない運用を原則にします。

  • 共催者・協賛者の名称やロゴ共催者が許諾、主催者が表示を管理

    共催契約で、使用の範囲、表示の位置と大きさ、訂正の手順を決めます。

  • 受講者の声・写真主催者が本人の了解を取得

    氏名・写真の掲載の同意と、撤回があったときの削除の手順を決めます。

告知の素材は、いったん公開すると、複数の媒体に拡散します。チラシの印刷や、SNSでの再投稿、共催者のサイトへの転載などです。公開前の確認に加えて、誤りに気づいたときに、どこまで訂正をかけられるかを、あらかじめ決めておくことも大切です。契約書には、訂正の求めがあったときに、それぞれが管理する媒体について、合理的な期間内に訂正または削除をする旨を書いておきます。

起きがちなこと

契約書作成の実務の経験をもとに、告知の表示にまつわる場面で起きがちなことをまとめます。多くの契約書で見られる傾向として、告知の確認は、講師との契約書では触れられないことが多い項目です。

告知の表示で起きがちなこと

  • 講師が送ってきた自己紹介を、そのままチラシに載せた。後日、肩書の一部が現在のものではないと分かった。
  • 「満席御礼」「残りわずか」の表示を、実際の申込み数と関係なく出し続けていた。
  • 受講者の声に、本人の了解を取らないまま、氏名や写真を載せた。
  • 参加費を税抜の金額だけで示しており、当日の支払額で食い違った。
  • 告知に載せた「個別相談付き」の特典が、運営の都合で実施できなくなり、参加者から返金を求められた。
  • 講師と共催者が、それぞれ別の文面で告知し、内容や価格の表示が食い違っていた。

告知は、参加者と最初に交わす約束の一部です。講師の紹介を魅力的にすることと、事実から離れないことは両立できます。確認の手順を契約書に書き込んでおけば、講師も主催者も、安心して告知に臨めます。うまくいかなかったときの整理は、セミナー・講演でうまくいかなかったとき/よくある質問のページに置いています。

よくあるご質問

講師が書いた自己紹介を、そのまま告知に載せてよいですか。

載せる前に、肩書や数字ごとに根拠となる資料を講師に尋ね、確認した記録を残すのが基本です。告知は、参加者に役務を供給する主催者の表示であり、講師が提供した情報でも、内容が実際より著しく優良であると示す表示になれば、景品表示法5条1号の問題が生じ得ます。契約書に、講師情報の提供と、事実であることの確認、誤りに気づいたときの通知を書いておくと、手順が明確になります。

「必ず」「誰でも」といった言葉は、使ってはいけませんか。

法律が特定の言葉を一律に禁じているわけではありません。ただ、効果が確実であるかのような断定は、実際の内容より優良に見せる表示になり得ますし(景品表示法5条1号)、個人の参加者が、将来の不確実な事項についての断定的判断を信じて申し込んだ場合は、その申込みが取り消される場合があります(消費者契約法4条1項2号)。得られるものを、知識や手順などの事実に即して書き、成果は人によって異なることを同じ位置に書く形が安全です。

受講者の声を載せるときに、気をつけることは何ですか。

実際に寄せられた声であること、掲載について本人の了解があること、よい声だけを選んで全体の印象をゆがめていないこと、の三点を確認します。「全員が満足」のような全体を括る表現は、根拠を示せる調査の条件がないと使いにくいため、回答者の数や調査の時期を添えるほうが安全です。講師や共催者に紹介記事を頼む場合は、主催者の依頼によるものだと読み手に分かる形にしておきます。

セミナーの申込みページに、特定商取引法の表示は必要ですか。

申込みをウェブのフォームやメールで受け付け、参加費の支払を受ける形で、電話勧誘販売に当たらない場合は、通信販売に当たり得ます(特定商取引法2条2項)。その場合は、役務の対価、支払の時期と方法、役務の提供時期、申込みの撤回・解除に関する事項などの表示が求められます(同法11条)。個人の消費者向けか、事業者向けのみかによっても適用の有無が変わる場合があるため、取引の相手方と申込みの仕組みを先に整理します。

告知に書いた講師が、直前に登壇できなくなりました。どう扱えばよいですか。

分かった時点で、速やかに参加者に知らせます。代役や録画での代替、日程の変更、返金のいずれを選べるのかを示し、参加者が選べる形にするのが、後日の争いを避ける進め方です。講師と主催者の間では、辞退の理由によって講師料や準備費用の扱いがどう変わるかを、事前に契約書で決めておくことが重要です。この点は、講師の辞退と代役のページで詳しく整理しています。

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